作品一覧

小説工房

森園知生の著作一覧


主に湘南を舞台に、その、そしてトワイライトゾーンを描いた物語をご紹介します。物語世界に迷い込んでみてください。
鎌倉、江の島に暮らす現代の人々の悲喜こもごもを描いた物語。そして「森園知生の小説」というタイム・マシンで時代をさかのぼれば、歴史の定説にはない真相が見えてくることでしょう。

1.出版作品

 紙の本、電子書籍どちらもご用意しておりアマゾン通販(本)でご購入いただけます。
 (電子書籍は全て海外でも購入可能。紙の本は『オリンポスの陰翳』を除き、他はすべて海外でも購入可能です)

2.当サイト上ですぐに読める作品

 当サイトに収めた作品は、すべて無料公開しております。
 長編小説短編小説ショートストーリー5分で読めるショートショートに分類しておりますので、お時間に合わせて試し読みしていただければ嬉しく存じます。

■出版作品

江の島弁天橋屋台の灯(最新刊)

 江の島に架かる弁天橋。かつてそこにはおでん屋台がずらりと並んでいた。夕闇がせまり、赤提灯に灯が燈るころ、潮風におでんの匂いが混じる。それに誘われて暖簾をくぐった「わたし」は、やがて常連となり、そこで出会った人々の数奇な体験談を聞くことになる。人間魚雷回天の特攻隊員。1964年の東京オリンピックでヨットハーバーが建設され、漁場を失った漁師は長く遠い放浪の旅に出た。大波に遭遇し、奇妙な体験をしたサーファー。弁天にまつわる江嶋(えのしま)神社隠された歴史。弁天橋の屋台の灯は消えたが、「わたし」は、それらの稀有な物語を書き留めておこうと思った。
江の島弁天橋屋台の灯』はコチラ
詳しいご紹介はコチラ
メディアでの紹介はコチラ

ラフカディオの旅

 小泉八雲ことラフカディオ・ハーンは日本の怪談作家として知られているが、ギリシャで生まれ、アイルランドで民話の妖精やケルト神話にふれて育った。大叔母が破産して生活基盤を失ったことから、移民船でアメリカへ渡るも生活は苦しく、それでも公共図書館で文学や仏教を学び、やがて新聞記者として活動しながらクレオール文化に目を向けてゆく。西インド諸島でクレオールの民俗調査をしながら小説も執筆。そのハーンが日本へ渡った理由は何か? なぜ日本で生涯を終えることになったのか? その秘密は、来日後まもなく訪れた鎌倉・江の島に隠されていた……。
『ラフカディオの旅』はコチラ
取材メモをもとにした詳しいご紹介

オリンポスの陰翳


 江ノ島の東浦は、1964年東京オリンピックヨット競技場となって埋め立てられ、豊かな漁場が失われた。漁師として育った源蔵は島を出て放浪のすえ横須賀米軍基地で働くようになり、やがて相模原の米軍補給廠へ移動。軍属としてベトナムへ派遣されて戦争に巻き込まれてゆく。同じ江ノ島で育った恵子も島を出て学生生活を送る中、学生運動に関わって傷つき挫折する。故郷を失った二人は暗く長い別離の季節を経て江ノ島を望む漁師町で再会する。結婚し二人の間に生まれた子が青年期を迎えた2020年ふたたびオリンピックが開催されることが決まった。二人の想いは? そしてウインド・サーフィンに青春を賭けた子の想いは……。
 『オリンポスの陰翳』はコチラ
 ご紹介記事はコチラ
 書評・マスコミでの紹介

ひぐらしの啼く時

 鎌倉で暮らす祐輔は、学生時代に同じサークルに所属していたのり子偶然再会し、学生時代は気にもとめていなかった彼女に、しだいに惹かれてゆく。じつは祐輔の祖先は鎌倉時代の三浦氏、のり子は和田氏の血をひいていた。二人の祖先は、和田の乱では敵どうしとなり、また太平洋戦争では恋人どうしながら出征で別れ、人間魚雷回天で特攻出撃という悲しい運命に襲われる。波乱の時代に翻弄されながら出会いと別れを繰り返していた二人の祖霊は、現代で奇跡の再会を果たしたのだった。だが、のり子の命は、その時すでに……。
『ひぐらしの啼く時』紙の本はコチラ
          電子書籍はコチラ
まえがき」に代えて「詳しいご紹介」はコチラ

竜の棲む岬

 大波サーフィンの聖地・鎌倉稲村ヶ崎で、当時高校生だった竜一行方不明になった。海難事故か、殺人か? 事件当時ともにサーフィンをしていた竜一の親友、敏男にも疑いの目が向けられる。一方で不審船の影と海上保安庁の捜査が絡んでゆく。憶測と疑惑が交錯しながら27年の時が流れていた。竜一が生きて帰るのを願いながら、幻の大波の到来を待ち続ける敏男と年下サーファーの悟志は、岬の洞窟に出入りする謎の老人に近づく。太平洋戦争の末期、予科練から伏龍特攻隊員になったという老人は、竜一失踪の謎を解く鍵を握るのか?
 『竜の棲む岬』紙の本はコチラ
        電子書籍はコチラ 
 「まえがき」にかえて「詳しいご紹介」はコチラ
 海から見た稲村ヶ崎 -ドローン空撮-(表紙撮影メイキング)

金星が見える時

 東日本大震災から47年が経ち、脱原発を目指すか、原発を推進するか、エネルギー政策を州ごとに決めてゆく道州制が敷かれた。東京関越州として原発を選び経済は発展。鎌倉を含む中部州脱原発の道を選んだが、自然エネルギーだけでは十分な電力が賄えず経済が没落。明治時代に逆戻りしたような鎌倉に住む颯太は、州立エネルギー研究所で地熱発電の研究に勤しみながら人力車の副業をし、幼なじみの明日香は華やかな東京TVディレクターとして活躍をはじめた。離れても心では惹かれ合っていた二人は、脱原発州の中部州に小型原発を設置する動きが出たのを契機に協力しあうようになる。深層地熱発電の夜明けを描く近未来小説。
『金星が見える時』紙の本はコチラ
         電子書籍はコチラ
        「まえがき」に代えて はコチラ

      


■当サイト上ですぐに読める作品

春を忘るな

 鎌倉幕府の第三代将軍、源実朝は、甥の公暁に暗殺されたとされている。また、自身の和歌集『金槐和歌集』でも有名なことから、武将としてよりも繊細な文化人としての評価が高い。その一方で、自ら唐船を建造して渡宋を目指したという果敢な記録もある。「出でて去なば主なき宿となりぬとも軒端の梅よ春を忘るな」という歌を残してこの世を去ったとする『吾妻鏡』に記された「歴史」は、はたして「真実」なのか? 源実朝の実像歴史の真相を問い直すこの小説は、中世を生きたひとりの若者の青春譚でもある。
(長編小説)
 『春を忘るな』はコチラ (当サイトにて無料公開中)
 

かつて、そこには竜がいた

 海辺のサーフィンライフを求めてプロサーファーになった智志だが、災害救助に勤しむ自衛隊員の姿を見て、自身の人生に疑問を持ち始める。海軍の予科練から特攻隊員となった祖父の吉次郎に相談すると戦時中の意外な事実を知らされる。それを確かめるためにやってきたのは、奇しくも大波サーフィンの聖地・鎌倉稲村ヶ崎だった……。
 2021年「終戦の日」に因み、ブログ「鎌倉と江ノ島のはざまで」に連載した短編小説。
 『かつて、そこには竜がいた』はコチラ (当サイトにて無料公開中)

俥曳き俊輔の逡巡

 鎌倉人力車俥夫をしている俊輔は、寿福寺の山門前で持病に苦しんでいた曽我夫人を助けたことから懇意になる。旧別荘地の邸宅に住む夫人は未亡人。かつて学生時代は歴史学を専攻しながら箱根駅伝出場を目指していた俊輔は、苦い過去を背負いながら、しだいに夫人に惹かれてゆく。しかし……。
(短編小説)
 『俥曳き俊輔の逡巡』はコチラ (当サイトにて無料公開中)

恵風園の思い出

」は胃潰瘍を患って、鎌倉七里ヶ浜恵風園に入院した。かつてサナトリウム(結核療養所)だったこの病院は、太宰治小動岬で心中事件を起こして運び込まれた病院だった。勤め先の激務から逃げられることで嬉々として入院した「私」は、そこで不思議な体験をすることになる。
 この作品は、森園知生の実話私小説で、小説を書くようになった誘因の告白でもある。
(ショートストーリー)
恵風園の思い出』はコチラ(当サイトにて無料公開中)

蓮池

 入院中の坂本浩一は、一粒の蓮の種を病院の窓から投げ捨てた。それは幼いころ、二宮初江と鵠沼の蓮池で遊んだ想い出の標(しるし)であるとともに、妻、洋子への裏切りの証でもあった。種を捨てたことで、幼なじみの初江への恋心を清算したつもりだったが、見舞いに来る洋子には後ろめたい気持ちがつのってゆく。ところが、初江、そして洋子との青春時代の追憶が、じつは浩一の美しくもせつない思い違いであることを洋子が明かす。
(短編小説)
『蓮池』はコチラ (当サイトにて無料公開中)

海底の青磁

 考古学者の佐知子は、青磁の欠片をペンダントにして首に下げているサーファーの竜堂寺翔一と出会った。青磁の欠片は、サーフィンのシークレットスポットでチューブライドしてワイプアウトした時、ウェットスーツに入りこんだという。佐知子は、考古学者の目で、その青磁片が800年前の宋代のものと睨んだ。だが、目を惹いたのは青磁片だけではなかった……。
(短編小説)
『海底の青磁』はコチラ (当サイトにて無料公開中)

ショートショート『渚にて』

 鎌倉稲村ヶ崎サーフィンしていたが浜へ上がると、見知らぬ少女がいた。陰暦の毎月15日に、そこで男が波乗りをするのには訳があった。そして、その少女は……。
 著者には珍しいメルヘンチックなSFショートショート『渚にて』はコチラ (当サイトにて無料公開中)

ショートショート『死神』

」は、先月妻を亡くしたばかりで、バーのカウンターでひとり飲んでいた。そんな傷心の俺に声をかけてきた老人がいた。相手にするつもりはなかったのに、いつの間にか老人の語る落語『死神』の話に引き込まれていく。やがて気がついた時には……。
『死神』と言ったってえ、そんな怖い話じゃございません。ものの5分で読めるファンタジック・ショートショート。一席おつきあいお願い申し上げます。
『死神』はコチラ(当サイトにて無料公開中)

江ノ電鎌倉発0番線

 メーカーのシステム・エンジニアだったが、ITの進化で第一線を追われ、関連会社に出向していた。慣れない営業の仕事で疲れ果てながらの会社帰り、鎌倉駅江ノ電に乗り換えようとすると、覚えのない0番線というホームが現れた。見るからに旧型の車両で出会ったのは、恋人とのすれ違いを繰り返していた帝国海軍の二等水兵。かつて、2000年問題へのシステム対策を経験した男が、二等水兵とその恋人を救うことになる。
(短編小説)
 第88回オール讀物新人賞最終候補となった森園知生のデビュー作、『江ノ電鎌倉発0番線』はコチラ (当サイトにて無料公開中)

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