作品一覧

小説工房

森園知生の著作一覧


森園知生が、これまで書いてきた小説をご紹介します。
主に湘南を舞台に物語を紡いでいます。鎌倉、江の島が多く登場します。
1.出版されている紙の本、電子書籍アマゾンの書籍通販でご購入いただけます。
 (電子書籍は全て海外でも購入可能。紙の本は『オリンポスの陰翳』を除き、他はすべて海外でも購入可能です)
2.このサイト上ですぐに(無料で)読める作品も納めてあります。

1.出版作品

ラフカディオの旅(最新刊!)

 小泉八雲ことラフカディオ・ハーンは日本の怪談作家として知られているが、ギリシャで生まれ、アイルランドで民話の妖精やケルト神話にふれて育った。大叔母が破産して生活基盤を失ったことから、移民船でアメリカへ渡るも生活は苦しく、それでも公共図書館で文学や仏教を学び、やがて新聞記者として活動しながらクレオール文化に目を向けてゆく。西インド諸島でクレオールの民俗調査をしながら小説も執筆。そのハーンが日本へ渡った理由は何か? なぜ日本で生涯を終えることになったのか? その秘密は、来日後まもなく訪れた鎌倉・江の島に隠されていた……。
『ラフカディオの旅』はコチラ
取材メモをもとにしたご紹介記事

オリンポスの陰翳


 江ノ島の東浦は、1964年の東京オリンピックのヨット競技会場となって埋め立てられ、豊かな漁場が失われた。漁師として育った源蔵は島を出て放浪のすえ横須賀の米軍基地で働くようになり、やがて相模原の米軍補給廠へ移動。軍属としてベトナムへ派遣されて戦争に巻き込まれてゆく。同じ江ノ島で育った恵子も島を出て学生生活を送る中、学生運動に関わって傷つき挫折する。故郷を失った二人は暗く長い別離の季節を経て江ノ島を望む漁師町で再会する。結婚し二人の間に生まれた子が青年期を迎えた2020年、ふたたびオリンピックが開催されることが決まった。二人の想いは? そしてウインド・サーフィンに青春を賭けた子の想いは……。
 『オリンポスの陰翳』はコチラ
 ご紹介記事はコチラ

ひぐらしの啼く時

 鎌倉で暮らす祐輔は、学生時代に同じサークルに所属していたのり子と偶然再会し、学生時代は気にもとめていなかった彼女に、しだいに惹かれてゆく。じつは祐輔の祖先は鎌倉時代の三浦氏、のり子は和田氏の血をひいていた。二人の祖先は、和田の乱では敵どうしとなり、また太平洋戦争では恋人どうしながら出征で別れ、人間魚雷回天で特攻出撃という悲しい運命に襲われる。波乱の時代に翻弄されながら出会いと別れを繰り返していた二人の祖霊は、現代で奇跡の再会を果たしたのだった。だが、のり子の命は、その時すでに……。
『ひぐらしの啼く時』紙の本はコチラ
          電子書籍はコチラ
まえがき」に代えて「ご紹介記事」はコチラ

竜の棲む岬

 大波サーフィンの聖地・鎌倉稲村ヶ崎で、当時高校生だった竜一が行方不明になった。海難事故か、殺人か? 事件当時ともにサーフィンをしていた竜一の親友、敏男にも疑いの目が向けられる。一方で不審船の影と海上保安庁の捜査が絡んでゆく。憶測と疑惑が交錯しながら27年の時が流れていた。竜一が生きて帰るのを密かに願いながら大波の到来を待ち続ける敏男と年下サーファーの悟志は、岬の洞窟に出入りする謎の老人に近づく。太平洋戦争の末期、予科練から伏龍特攻隊員になったという老人は、竜一失踪の謎を解く鍵を握るのか?
 『竜の棲む岬』紙の本はコチラ
        電子書籍はコチラ 
 「まえがき」にかえて(ご紹介記事)はコチラ
 海から見た稲村ヶ崎 -ドローン空撮-(表紙撮影メイキング)

金星が見える時

 東日本大震災から47年が経ち、脱原発を目指すか、原発を推進するか、エネルギー政策を州ごとに決めてゆく道州制が敷かれた。東京は関越州として原発を選び、鎌倉を含む中部州は脱原発の道を選んだが、自然エネルギーだけでは十分な電力が賄えず、経済的に没落。明治時代に逆戻りしたような鎌倉に住む颯太は、州立エネルギー研究所で地熱発電の研究に勤しみながら人力車の副業をし、幼なじみの明日香は経済発展した東京でTVディレクターとして活躍をはじめた。離れても心では惹かれ合っていた二人は、脱原発州の中部州に小型原発を設置する動きが出たのを契機に協力しあうようになる。深層地熱発電の夜明けを描く近未来小説。
『金星が見える時』紙の本はコチラ
         電子書籍はコチラ
        「まえがき」に代えて はコチラ

      


2.当サイト上ですぐに読める作品

春を忘るな

 鎌倉幕府の第三代将軍、源実朝は、甥の公暁に暗殺されたとされている。また、自身の和歌集『金槐和歌集』でも有名なことから、武将としてよりも繊細な文化人としての評価が高い。その一方で、自ら唐船を建造して渡宋を目指したという果敢な記録もある。「出でて去なば主なき宿となりぬとも軒端の梅よ春を忘るな」という歌を残してこの世を去ったとする『吾妻鏡』に記された「歴史」は、はたして「真実」なのか? 源実朝の実像と歴史の真相を問い直すこの小説は、中世を生きたひとりの若者の青春譚でもある。
 『春を忘るな』はコチラ (当サイトにて無料公開中)
 

かつて、そこには竜がいた

 海辺のサーフィンライフを求めてプロサーファーになった智志だが、災害救助に勤しむ自衛隊員の姿を見て、自身の人生に疑問を持ち始める。海軍の予科練から特攻隊員となった祖父の吉次郎に相談すると戦時中の意外な事実を知らされる。それを確かめるためにやってきたのは、奇しくも大波サーフィンの聖地・鎌倉稲村ヶ崎だった……。
 2021年「終戦の日」に因み、ブログ「鎌倉と江ノ島のはざまで」に連載した短編小説。
 『かつて、そこには竜がいた』はコチラ (当サイトにて無料公開中)

俥曳き俊輔の逡巡

 鎌倉で人力車の俥夫をしている俊輔は、寿福寺の山門前で持病に苦しんでいた曽我夫人を助けたことから懇意になる。旧別荘地の邸宅に住む夫人は未亡人。かつて学生時代は歴史学を専攻しながら箱根駅伝出場を目指していた俊輔は、苦い過去を背負いながら、しだいに夫人に惹かれてゆく。しかし……。
 『俥曳き俊輔の逡巡』はコチラ (当サイトにて無料公開中)

恵風園の思い出

「私」は胃潰瘍を患って、鎌倉七里ヶ浜の恵風園に入院した。かつてサナトリウム(結核療養所)だったこの病院は、太宰治が小動岬で心中事件を起こして運び込まれた病院だった。勤め先の激務から逃げられることで嬉々として入院した「私」は、そこで不思議な体験をすることになる。
 この作品は、森園知生の実話私小説で、小説を書くようになった誘因の告白でもある。
恵風園の思い出』はコチラ(当サイトにて無料公開中)

蓮池

 入院中の坂本浩一は、一粒の蓮の種を病院の窓から投げ捨てた。それは幼いころ、二宮初江と蓮池で遊んだ想い出の標(しるし)であるとともに、妻、洋子への裏切りの証でもあった。種を捨てたことで、幼なじみの初江への恋心を清算したつもりだったが、見舞いに来る洋子には後ろめたい気持ちがつのってゆく。ところが、初江、そして洋子との青春時代の追憶が、じつは浩一の美しくもせつない思い違いであることを洋子が明かす。
『蓮池』はコチラ (当サイトにて無料公開中)

ショートショート『渚にて』

 稲村ヶ崎でサーフィンしていた男が浜へ上がると、見知らぬ少女がいた。陰暦の毎月15日に、そこで男が波乗りをするのには訳があった。そして、その少女は……。
 著者には珍しいメルヘンチックなSFショートショート『渚にて』はコチラ (当サイトにて無料公開中)

ショートショート『死神』

「俺」は、先月妻を亡くたばかりで、バーのカウンターでひとり飲んでいた。そんな傷心の俺に声をかけてきた老人がいた。相手にするつもりはなかったのに、いつの間にか老人の語る落語『死神』の話に引き込まれていく。やがて気がついた時には……。
『死神』と言ったってえ、そんな怖い話じゃございません。ものの5分で読めるファンタジック・ショートショート。一席おつきあいお願い申し上げます。
『死神』はコチラ(当サイトにて無料公開中)

江ノ電鎌倉発0番線

 メーカーのシステム・エンジニアだった男が、ITの進化で第一線を追われ、関連会社に出向していた。慣れない営業の仕事で疲れ果てながらの会社帰り、鎌倉駅で江ノ電に乗り換えようとすると、覚えのない0番線というホームが現れた。見るからに旧型の車両で出会ったのは、恋人とのすれ違いを繰り返していた帝国海軍の二等水兵。かつて、2000年問題へのシステム対策を経験した男が、二等水兵とその恋人を救うことになる。
 第88回オール讀物新人賞最終候補となった森園知生のデビュー作、『江ノ電鎌倉発0番線』はコチラ (当サイトにて無料公開中)

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事一覧

サイト内検索